ベクトル解析の諸公式と,その証明を示します.ナブラやラプラシアン,ベクトル解析の計算に関する基本事項についても,簡単に述べます.
【スマホでの数式表示について】
ベクトル解析の公式
(1)
【 式(1)の証明を見る 】
(2)
(2)
【 式(2)の証明を見る 】
(3)
(3)
【 式(3)の証明を見る 】
(4)
【 式(4)の証明を見る 】
(5)
(5)
【 式(5)の証明を見る 】
(6)
【 式(6)の証明を見る 】
(7)
【 式(7)の証明を見る 】
(8)
【 式(8)の証明を見る 】
(9)
【 式(9)の証明を見る 】
(10)
【 式(10)の証明を見る 】
(11)
【 式(11)の証明を見る 】
(12)
【 式(12)の証明を見る 】
ベクトル解析の表記法
スカラー関数
スカラー値をとる関数を,スカラー関数という(これは,後述するベクトル関数との対比による).記号として ,,,, などを用いる.計算の途中などで明らかな場合,関数の引数()を省略して,単に ,,,,,などと書くことがある.
スカラー関数の積は , などと書く.
単位ベクトル(基底ベクトル)
単位ベクトル(あるいは,座標系の基底を定める基底ベクトル)の表記として,
(13)
(14)
(15)
(16)
などとなる.
また,添字(index) を用いることにより,単位ベクトル および ベクトル を,
(17)
(18)
などと書くこともできる.
(19)
となるとき,これを正規直交基底という.ただし, はクロネッカーのデルタである.
ベクトル関数
(20)
などと書き,これらをベクトル関数という.関数の引数()を省略して,単に ,,などと書く場合がある.
内積
ベクトル解析では,横ベクトル(列ベクトル)表記が多用され,転置ベクトル(transposed vector)の記号 ,, などはあまり用いられない(これは主に,冪指数や各次元の添字と転置記号の並記による煩雑を避けるとともに,計算スペースの都合上,横ベクトルを用いるため).
ベクトルおよびベクトル関数の内積は, を用いて,単に などと書き,
(21)
である.
微分演算子あるいは微分作用素(differential operator)
ナブラとラプラシアン
は,ナブラ(nabla)と読み,次式で定義される微分演算子(differential operator) である:
(22)
(23)
は,ラプラス演算子 あるいは ラプラシアン(Laplacian) という.
※なお,operator の訳語として,数学分野では「作用素」が,物理学分野では「演算子」が用いられることが多い.
勾配(grad)
スカラー関数に対する勾配(gradienat) は,次式によって定義される.
(24)
発散(div)
ベクトル関数に対する発散(divergence) は,次式によって定義される.
(25)
すなわち,発散は,ナブラとベクトル関数の内積として与えられる.
回転(curl, rot)
ベクトル関数に対する回転(curl) あるいは (rotation) は,次式によって定義される.
(26)
すなわち,回転は,ナブラとベクトル関数のクロス積として与えられる.
コメントを残す