最小二乗法(method of least squares)を用いて,与えられたデータから
次の自己回帰モデル(autoregressive model of order
;
)のパラメータを推定する方法を示します.
【スマホでの数式表示について】
自己回帰モデルのパラメータの最小二乗推定
時刻
において観測されるデータを
と書くことにし,このデータの時刻
以前の時系列
が与えられたとする.また,この時系列データが
次の自己回帰過程
(1) ![]()
によって生成されたものであると仮定する.ただし
は平均0,分散
の正規分布に従うホワイトノイズである.
この条件下で,パラメータ
を最小二乗法により推定する.
◇
次の自己回帰過程に対する線形予測子(linear predictor)
は
(2) ![]()
で定義される.また,残差
は
(3) ![]()
で定義される.これらより,
(4) ![]()
を得る.ただし
(5) ![]()
(6) ![]()
最小二乗法では,残差平方和の極値条件
(7) ![]()
より,パラメータ
を決定する.ただし
.また,
(8) ![]()
(9) ![]()
したがって
(10) ![]()
である.これより,
行列
が正則ならば,パラメータ
の推定値
が
(11) ![]()
によって求まる.
要素毎の明示的計算による(10)式の導出は以下のようになる.(4)式より
(12) ![]()
すなわち
(13) ![]()
これを
で微分する.
のとき,
(14) ![]()
(15) ![]()
(16) ![]()
のとき,
(17) ![]()
(18) ![]()
(19) ![]()
(20) ![]()
(21) ![]()
(ただし和
は
)
を得る.

非常にわかりやすい記事ありがとうございます。
式(7)のi=0はi=1の間違えでしょか?
ご指摘頂きありがとうございました. 該当箇所を訂正致しました.