三角関数の直交性を証明します.
三角関数の直交性に関しては,巷間,周期・位相差・積分範囲等を限定した証明が多くありますが,ここでは周期を2L,位相差をcとする,より一般的な場合に対する計算を示します.
【スマホでの数式表示について】
三角関数の直交性
正弦関数と余弦関数について成り立つ次の性質を,三角関数の直交性(Orthogonality of trigonometric functions)という.
(1)
(2)
(3)
ただしはクロネッカーのデルタ
(4)
である.□
準備1:正弦関数の周期積分
式(5)の証明:
(i) のとき
(6)
(ii) のとき
(7)
の理由:
(8)
すなわち,
(9)
(10)
となる.
準備2:余弦関数の周期積分
式(11)の証明:
(i) のとき
(12)
(ii) のとき
(13)
の理由:
(14)
すなわち,
(15)
(16)
となる.
三角関数の直交性の証明
正弦関数の直交性の証明
式(1)を証明する.
三角関数の積和公式より
(17)
なので,
(18)
(i) のとき
(19)
(ii) のとき
(20)
よって,
(21)
すなわち与式(1)が示された.
余弦関数の直交性の証明
式(2)を証明する.
三角関数の積和公式より
(22)
なので,
(23)
(i) のとき
(24)
(ii) のとき
(25)
よって,
(26)
すなわち与式(2)が示された.
正弦関数と余弦関数の直交性の証明
式(3)を証明する.
三角関数の積和公式より
(27)
なので,
(28)
すなわち与式(3)が示された.
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