互いに独立な正規確率変数の和の分布が再び正規分布となること,すなわち正規分布が再生性を持つことを証明します.正規分布の畳み込み計算の詳細を示します.
【スマホでの数式表示について】
正規分布の再生性(reproductive property of the normal distribution)
互いに独立な確率変数がそれぞれ,なる正規分布(normal distribution, またはガウス分布Gaussian distributionともいう)
(1)
に従うとき,2つの確率変数の和はなる正規分布
(2)
に従う.すなわち,正規分布は再生性を持つ.□
関連ページ
確率分布の再生性とは何か?
準備
(3)
を用いる.(ガウス積分の計算方法の詳細は こちら)
証明(正規分布の再生性)
2つの独立な確率変数の和の確率密度関数は,もとの確率密度関数の畳み込み(convolution)を計算することで求められる[2つの確率変数の和の分布の求め方は こちら].すなわち,正規分布の確率密度関数(1)について
(4)
を計算し,もまた正規分布の確率密度関数となっていることを示せばよい.
(5)
式(5)の被積分関数の指数部は,に関する2次関数だから,これをについて平方完成することにより,式(5)の積分はガウス積分(3)に帰着する.すなわち,
(6)
(7)
(8)
(9)
とおいた.式(6)の積分について,のように変数変換すると,で,
(10)
(11)
これはすなわち,なる正規分布の確率密度関数に他ならない.すなわち,正規分布は再生性を持つことが示された.□
本ページ、確率変数X1, X2が独立であるという仮定が抜けているように思います。
また細かい指摘ですが、確率変数X2が従う分布のパラメーターの添え字が2ではなく1になっているのと、
Gaussianの綴りがGaussinaになっています。
ご指摘ありがとうございました.
該当箇所を訂正致しました.