ガンマ確率変数X1,X2の和Y:=X1+X2が再びガンマ分布に従うこと,すなわちガンマ分布が再生性を持つことを示します.
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ガンマ分布の再生性(reproducing property of the gamma distribution)
2つの確率変数がそれぞれパラメータのガンマ分布(gamma distribution)
(1)
に従うとき,2つの確率変数の和はパラメータのガンマ分布
(2)
に従う.□
準備
(3)
が成り立つ.実際,(3)式の左辺をのように変数変換すると,,,の積分区間がなどとなるので,
(4)
となる.ところで,(4)式の最後にある積分は,ベータ関数であり,これはガンマ関数を用いて
(5)
(6)
を得る.
証明
2つの確率変数の和の確率密度関数は,もとの確率密度関数の畳み込み(convolution)を計算することで求められる[2つの確率変数の和の分布の求め方は こちら].すなわち
(7)
(8)
上式最後の積分は,(3)式と同じ式なので,
(9)
を得る.
Remark 1
ガンマ分布について,を整数とし,とすると,これはアーラン分布に帰着する.本稿で述べた再生性は,アーラン分布でも同様に成り立つ.[アーラン分布の再生性の証明は こちら]
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