1階常微分方程式の定義と主な形式一覧

1階常微分方程式の主な形式を示します.

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1階常微分方程式の定義

(定義)1階常微分方程式
x は実数値または複素数値を取る変数,y は実数値または複素数値を取る x の関数,すなわち

(1)   \begin{eqnarray*} &&x \in D \subseteq \mathbb{R} \text{ or } \mathbb{C} \\ &&y:D \to \mathbb{R} \text{ or } \mathbb{C}  \end{eqnarray*}

とする.またyx について1階微分可能で

(2)   \begin{equation*} y':= \frac{dy(x)}{dx} \end{equation*}

とする.このとき,x,y,y' について,恒等的に成り立つ次の関係式

(3)   \begin{equation*} \Psi(x,y,y')=0 \end{equation*}

を,関数 y(x) に関する1階常微分方程式(first-order ordinary differential equations)という.

一般の常微分方程式( n 階常微分方程式)の定義,一般解と特解の定義,常微分方程式と偏微分方程式の違い などについては,下記の記事を参照のこと.

常微分方程式の定義【微分方程式】

2019年6月27日

正規形1階常微分方程式

1階常微分方程式(3)において,適当な式変形によって1階微分項 y':=\frac{dy(x)}{dx} を分離し,

(4)   \begin{equation*} \frac{dy(x)}{dx} = \psi(x,y) \end{equation*}

のように書ける(y'について解ける)とき,これを 1階常微分方程式の正規形(normal form)という.

一般に,n 階常微分方程式を,適当な式変形によって最高階微分項(n 階微分項:y^{(n)})とその他の項(n-1 階以下の微分項:y^{(n-1)},...,y',y,x)を分離し,

(5)   \begin{equation*} y^{(n)} = \psi(x,y,y',...,y^{(n-1)})\, , \quad \text{where} \quad y^{(n)}:= \frac{d^ny(x)}{dx^n} \end{equation*}

のように書けるとき,これを n 階常微分方程式の正規形という.

明らかに,n 階常微分方程式の正規形(5)において n=1 としたものが,1階微分方程式の正規形(4)である.

常微分方程式の定義【微分方程式】

2019年6月27日

変数分離形の1階常微分方程式

変数分離(separation of variables)形の1階常微分方程式とは,以下のような形式の微分方程式である.

(6)   \begin{equation*} \frac{dy(x)}{dx}+p(x)\cdot q(y) = 0 \end{equation*}

変数分離形1階常微分方程式は,正規形1階常微分方程式の一種である.

1階常微分方程式の解き方と例題:変数分離形・一般解と特殊解

2018年8月1日

線形の1階常微分方程式

1階線形常微分方程式(first-order linear ordinary differential equation)とは,以下のような形式の微分方程式である.

(7)   \begin{equation*} \frac{dy(x)}{dx}+p(x)\cdot y(x) = r(x) \end{equation*}

特に,式(7)において,任意の x に対して r(x)=0 であるとき,これを斉次あるいは同次(homogeneous)といい,ある x に対して r(x)\not=0 であるとき,これを非斉次あるいは非同次(non-homogeneous)という.

1階線形常微分方程式は,正規形1階常微分方程式の一種である.

完全微分方程式

完全微分方程式(exact differential equation)とは,以下のような形式の微分方程式である.

(8)   \begin{equation*} p(x,y)dx + q(x,y)dy =0  \end{equation*}

(9)   \begin{equation*} \quad \text{where} \quad \frac{\partial p(x,y)}{\partial y} = \frac{\partial q(x,y)}{\partial x} \end{equation*}

式(8)は

(10)   \begin{equation*} \frac{dy(x)}{dx}+\frac{q(x,y)}{p(x,y)} = 0 \end{equation*}

と変形できるため,完全微分方程式も正規形1階常微分方程式の一種である.

ベルヌーイ型の1階常微分方程式

ベルヌーイ微分方程式(Bernoulli differential equation)とは,以下のような形式の微分方程式である.

(11)   \begin{equation*} \frac{dy}{dx}+p(x)\cdot y + q(x)\cdot y^k = 0 \end{equation*}

ベルヌーイ方程式は,k=0 のとき非同次線形常微分方程式に帰着し,k=1 のとき同次線形常微分方程式に帰着する.

ベルヌーイ微分方程式は,正規形1階常微分方程式の一種である.

リカッチ型の1階常微分方程式

リカッチ微分方程式(Riccati differential equation)とは,以下のような形式の微分方程式である.

(12)   \begin{equation*} \frac{dy}{dx}+p(x)\cdot y + q(x)\cdot y^2 + r(x) = 0 \end{equation*}

リカッチ方程式は,r(x)=0 のとき,k=2 のベルヌーイ方程式に帰着する.

リカッチ方程式は,正規形1階常微分方程式の一種である.

クレロー型の1階常微分方程式

クレローの微分方程式(Clairaut’s differential equation)とは,以下のような形式の微分方程式である.

(13)   \begin{equation*} y(x) = x \frac{dy}{dx} + f \left( \frac{dy}{dx} \right) \end{equation*}

クレローの微分方程式は,一般には \frac{dy}{dx} について解くことができないため,正規形1階常微分方程式ではない.

ダランベール型(あるいはラグランジュ型)の1階常微分方程式

ダランベール微分方程式(d’Alembert differential equation) あるいは ラグランジュ微分方程式(Lagrange differential equation) とは,以下のような形式の微分方程式である.

(14)   \begin{equation*} y(x) = x  g\, \left( \frac{dy}{dx} \right) + f \left( \frac{dy}{dx} \right) \end{equation*}

ダランベール微分方程式は,一般には \frac{dy}{dx} について解くことができないため,正規形1階常微分方程式ではない.

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