常微分方程式の定義【微分方程式】

常微分方程式の定義を述べます.

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常微分方程式の定義

常微分方程式の定義

(定義)常微分方程式
x は実数値または複素数値を取る変数,y は実数値または複素数値を取る x の関数,すなわち

(1)   \begin{eqnarray*} &&x \in D \subseteq \mathbb{R} \text{ or } \mathbb{C} \\ &&y:D \to \mathbb{R} \text{ or } \mathbb{C}  \end{eqnarray*}

とする.またyx について n 階微分可能で

(2)   \begin{eqnarray*} y'&:=& \frac{dy(x)}{dx} \\ y''&:=& \frac{d^2y(x)}{dx^2} \\ y^{(i)}&:=& \frac{d^i y(x)}{dx^i}\quad(i=3,...,n)  \end{eqnarray*}

などとする.このとき,x,y,y',...,y^{(n)} について,恒等的に成り立つ次の関係式

(3)   \begin{equation*} \Psi(x,y,y',...,y^{(n)})=0 \end{equation*}

を,関数 y(x) に関する n 階常微分方程式( n-th-order ordinary differential equation)という.

また,式(5)を満たす関数 y(x) をこの微分方程式の(solution)といい,この解を求めることを微分方程式を解く(solve the differential equation)という.

常微分方程式と偏微分方程式の違い

ある微分方程式について,その解となる関数 y(x) の独立変数がひとつ( x のみ)であるとき,この微分方程式を常微分方程式(ordinary differential equation)という.

他方,微分方程式の解となる関数の独立変数が2つ以上であるとき,すなわち解が引数 x_1,...,x_m を持つ多変数関数

(4)   \begin{equation*} y=y(x_1,...,x_m) \end{equation*}

であるとき,これを解として持つような微分方程式を,偏微分方程式(partial differential equation)という.偏微分方程式は,一般に次のような形式を持つ.

(5)   \begin{equation*} \Psi\left( x_1,...,x_m,y,\frac{\partial y}{\partial x_1},...,\frac{\partial y}{\partial x_m},\frac{\partial ^2y}{\partial x_1^2},...,\frac{\partial ^2y}{\partial x_i\partial x_j},..., \right)=0 \end{equation*}

常微分方程式と偏微分方程式の違い
  • 常微分方程式:解の独立変数がひとつ
  • 偏微分方程式:解の独立変数が2つ以上

常微分方程式と偏微分方程式を総称して,単に微分方程式(differential equation)という.

常微分方程式の解:一般解と特解

常微分方程式を解くということは,大まかに言って,その方程式を適切に積分して,方程式に含まれる微分演算子を消去することである.

したがって,常微分方程式の解には,その関数の中に積分定数(integral constant)が現れる(1階常微分方程式であれば積分1回分で1個の定数が現れ,2階常微分方程式であれば積分2回分で2個の定数が現れる).

解に含まれる積分定数( c_1,...,c_n とする)について,具体的な数値が不定のままの任意定数とした場合,この解を常微分方程式の一般解(general solution)という.言い換えれば,常微分方程式の一般解は,変数 x に関する関数の族(family)

(6)   \begin{equation*} \left\{ y= y(x \; ; \; c_1,...,c_n) \;|\;^{\forall}x \in D,\; ^{\forall}c_1,...,c_n \in K^n \right\} \end{equation*}

となる( K は適当な係数体).

また,常微分方程式の一般解が得られているとして,x=x_0 のときの y,y',...,y^{(n)} の値が

(7)   \begin{eqnarray*} y_0&=& y(x_0) \\ y_1&=& y'(x_0) \\ y_2&=& y''(x_0) \\ &\vdots& \\ y_n&=&  y^{(n)}(x_0) \end{eqnarray*}

のように与えられたとする( y_0,...,y_n は具体的な数値).このとき,連立方程式(7)を解くことにより,一般解に含まれる不定な積分定数 c_1,...,c_n の値が,ある具体的な値 c^0_1,...,c^0_n として定まる.言い換えれば,元の常微分方程式の一般解となる関数族の中から,条件式(7)を満たすようなひとつの関数

(8)   \begin{equation*} y= y(x \; ; \; c^0_1,...,c^0_n) \quad (^{\forall}x \in D) \end{equation*}

が得られる.このようにして得られた関数(常微分方程式の解のひとつ)を,特解あるいは特殊解(particular solution)という.また,特解を求めるために与えられた条件式(7)を初期条件(initial conditions)といい,これを解いて特解を得る問題を初期値問題(initial value problem)という.

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